Q 酸塩基平衡で二酸化炭素の体外への排出低下によって起こるのはどれか。
1. 呼吸性アシドーシス
2. 呼吸性アルカローシス
3. 代謝性アシドーシス
4. 代謝性アルカローシス
(第30回柔道整復師国家試験問題 午前81)
A 1酸塩基平衡の異常の原因について問う問題。
血漿のpHが正常範囲(pH7.35~7.45)をこえて酸性に傾いた病態をアシドーシス、アルカリ性に傾いた病態をアルカローシスという。
この問題の場合、原因が
二酸化炭素の排出 → 呼吸が原因
排出が低下している → 酸性に傾く
ので、呼吸性アシドーシスが答えとなる。
※ 少し詳しく
人体では代謝により酸が生じる。生じた酸は肺と腎臓より体外へ排出される。
これら酸性物質を運搬する血液では、重炭酸緩衝系などの緩衝系によってpHの変動は抑えられており、通常、血漿はpH7.35~7.45の範囲にある。
何らかの理由で、血漿のpHが正常範囲(pH7.35~7.45)をこえて酸性に傾いた病態をアシドーシス、アルカリ性に傾いた病態をアルカローシスという。
さらに、原因が呼吸にあるか、その他にあるかで、呼吸性 と 代謝性に分かれる。
呼吸性の場合、
二酸化炭素の排出が低下 → 酸が体内に増える → アシドーシス
二酸化炭素の排出が増加 → 酸が体内から減る → アルカローシス
と考える。
呼吸性アシドーシスの原因としては、肺でのガス交換が低下する(つまり肺に問題がある)場合の他、呼吸筋の障害や呼吸筋を支配する神経の障害などが考えられる。
呼吸性アルカローシスの原因としてよくあげられるのは、「過換気症候群」である。
代謝性の場合、
酸が増えるアシドーシスの原因は大きく3つに分けられる。
1. 酸を体外へ排出する腎臓の機能低下
2. 酸性物質の産生の増加(ケトアシドーシス、乳酸アシドーシスなど)
3. 重炭酸イオン(HCO3-)の喪失(下痢など)
酸が減るアルカローシスの原因としてよくあげられるのは、「嘔吐」による胃”酸”の喪失である。
(*) 解答は公開されているので合っていますが、解説については誤りがあるかもしれません(一応、調べてはいますが)。予めご了承ください。